51冊目 とんでもなく面白い『古事記』(斎藤 英喜 ) エピソード1 イザナキとイザナミ

Q;面白いファンタジー小説が読みたい
A;『古事記』なんていかがですか?

面白いファンタジー小説が読みたい。この本はそんな人におすすめの一冊です。

 

世界の神々の物語に興味がある人もいるかと思いますが、『古事記』は日本の神々の物語が描かれています。そこには世界の神々に負けない、日本の神々の魅力的な物語ががたくさん詰まっています。

 

しかし、『古事記』の原典を読むのはかなり大変で、途中で挫折することは目に見えています。この本は挫折しないように、古事記の神話の魅力を「あらすじ」と「読みどころ」を解説しています。

 

本書のポイントは

 

とんでもなく面白い『古事記』を分かりやすく

 

です。

 

実はとんでもなく面白い『古事記』。それはまるでファンタジー小説のようでした。

 

とんでもなく面白く、今回だけでは伝えきれないため、次のエピソードに分けて3ポイントで紹介します。

 

エピソード1 イザナキとイザナミ
エピソード2 スサノウとアマテラス
エピソード3 オオクニヌシの国づくり
エピソード4 ニニギの天孫降臨
エピソード5 神武天皇
エピソード6 崇神天皇
エピソード7 ヤマトタケルの物語
エピソード8 神功皇后
エピソード9 仁徳天皇
エピソード10 雄略天皇
エピソード11 途切れた皇統

 

今日は

 

エピソード1 イザナキとイザナミ

 

をご紹介します。

 

 

3ポイント

1. イザナキとイザナミ

天地が生まれたとき、天上の高天原(たかまがはら)に日本の最初の神 アメノミナカヌシが現われました。さらに4柱の神様が現われ、アメノミナカヌシを含む5柱の神様は「別天つ神(ことあまつかみ)」と呼ばれました。

 

その後、7代にわたって12柱の神様が現われました。その神々は「神世七代」と呼ばれました。その7代の最後、11、12番目に兄妹の神として現れたのがイザナキとイザナミでした。

 

当時、地上は半分液状の不安定な状態でした。イザナキとイザナミは「別天つ神(ことあまつかみ)」から“地上をしっかりと固める”という使命を託されていました。

 

イザナキとイザナミは別天つ神からもらったアイテム「アメノヌボコ」を使い、地上を固め始めます。こうして、地上に最初にできた島がオンゴロ島でした。

 

天上から地上のオンゴロ島に降り立ったイザナキとイザナミはさらに国づくりを進めます。

 

ここでイザナキはイザナミに問いかけます。

 

イザナキ 「お前の体はどのようにできているの?」
イザナミ 「体は出来上がってるんだけど、少し欠けた部分があるみたいです」
イザナキ 「僕の体も出来上がってるけど、余分な部分があるみたい。僕の余分なところでイザナミの欠けた部分を補えば、もっと上手に国づくりができるんじゃないかな?」
イザナミ 「それがいいかもね」

 

こうしてイザナキとイザナミを兄妹ですが、結婚することになりました。

 

2. イザナキとイザナミの結婚生活

さて、こうして結婚したイザナキとイザナミは子づくりに励みます。というのも、イザナミは「島」を出産する能力を持っており、「子づくり」は「国づくり」に欠かせないものでした。

 

最初の頃は子づくりの方法が分からず、体の弱い子ども(島)しか生まれませんでした。しかし、別天つ神の助言もあり、見事出産に成功。アハヂノホノサワケ(淡路島)、イヨノフタナ(四国)、オキノミツゴ(隠岐島)、ツクシ(九州)、イキ(壱岐)、ツ(対馬)、サド(佐渡島)、オジャマトトヨアキヅ(本州)の8つの島「オオヤシマの国」を生み出しました。これが日本の国の原型となるのです。

 

その後もイザナキとイザナミは子づくりに励みます。そして、イザナキとイザナミはオオヤシマの国をとりまく小さな島々とともに新たな神々も生み出します。

 

新たな神々として、海の神オホワタツミ、風の神シナツヒコなど自然の神様が多く生まれました。そんな中、最後に生まれたのが火の神カヅツチでした。

 

火の神カヅツチの体は全身が燃えさかる炎そのものでした。そのため、母イザナミは出産の際、大やけどをおい、命を落としてしまいます。

 

最愛の妻を失ったイザナキは怒り狂って実の子である火の神カヅツチの首を跳ね飛ばし、殺してしまいます。そして、愛しい妻に合うため、イザナキは死者の世界「黄泉の国」へ行くことを決意します。

 

3. 黄泉の国

死者の世界「黄泉の国」へ行ってしまったイザナミにもう一度会いたい。イザナキはその一心で地下にある黄泉の国を目指し、長い洞窟を果敢に下っていきました。

 

そして、やっとのことで着いた黄泉の国。そこにはすでに黄泉の国の住人となり、変わり果てたイザナミの姿がありました。イザナミの体はすっかり腐敗し、ウジにたかられたグロテスクな姿になっていたのです。

 

そんな姿を目にしたイザナキは恐れをなして逃げ出してしまいます。

 

一方でグロテスクな姿を見られたイザナミは「よくも私に恥をかかせたわね!!」と激怒し、黄泉の住人を使ってイザナキの追撃を始めます。

 

やっとの思いで黄泉の国を抜け出したイザナキは大きな岩で黄泉の国との入り口をふさぎます。岩の向こうでは「いとしいひと、ひどい子とするのね。呪ってやる」と恨みの声が響いていました…..。

 

黄泉の国から帰ってきたイザナキはその身を清めるため、体を洗うことにしました。このとき、一つの奇跡が起こりました。イザナギが脱ぎ捨てた衣類や洗い落とした汚れから多数の神々が誕生したのです。そのなかには災いをもたらす神様もいれば、逆に災いを清める神様もいました。そして、その神々の中には左目を洗った時にうまれたアマテラス、右目を洗った時に生まれたツクヨミ、鼻を洗った時に生まれたスサノウがいました。

 

そして、物語はアマテラス、ツクヨミ、スサノウへ引き継がれるのです….。

 

まとめ

51冊目 とんでもなく面白い『古事記』

1ポイント とんでもなく面白い『古事記』を分かりやすく

■3ポイント

 

エピソード1 イザナキとイザナミ

 

エピソード2 スサノウとアマテラス

 

エピソード3 オオクニヌシの国づくり

 

エピソード4 ニニギの天孫降臨

 

エピソード5 神武天皇

 

エピソード6 崇神天皇

 

エピソード7 ヤマトタケルの物語

 

エピソード8 神功皇后

 

エピソード9 仁徳天皇

 

エピソード10 雄略天皇

 

エピソード11 途切れた皇統

 

■著者

 

斎藤 英喜

 

■更新日

 

2020.05.25

 

 

 


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